【安達東】課題研究 新商品開発に向けて(岩代地区の平飼い養鶏場を見学)
前回9月には二本松市役所岩代支所集落支援員の方々に来校いただき、新商品開発に向けて助言をいただきました。その中で、岩代地区に移住し、古米を活用した飼料で養鶏場を経営しているご夫婦がいらっしゃることを教えていただき、さっそく見学に伺いました。
〇平飼い養鶏場を営むドカーティ・クリスさんと有子さん
東京から岩代地区へ移住したドカーティ夫妻は、農業研修を経て、平飼い養鶏とキュリウをはじめとした野菜を栽培しています。
ハウス2棟を平飼い鶏舎として活用し、国産産卵系品種の「後藤もみじ」150~160羽を飼育しています。
〇地域の力でできた自家製飼料と卵
お二人の生産する卵は、黄身が白っぽく、卵白の臭みが少なく食べやすいそうです。この卵を生産するために市販の配合飼料は使用せず、廃棄されてしまう野菜や果物のくずと米ぬかを発酵させた自家製飼料を使って生産されているそうです。
飼料に活用する野菜や果物くずは、近隣の農家さんが販売できなかったり、消費できなかったりしたものを譲ってくれるそうです。
また、お二人が生産しているジャガイモ等の野菜も与え、その土地で生産された作物を使って循環型の養鶏を行っています。
有子さんは「このニワトリ達は、この地域に育てられている」とお話され、地域で協力して生産されている卵なのだと知ることができました。
〇生徒たちが気づいたこと…
鶏舎の見学をしていると、生徒があることに気づきました。
「この鶏舎、まったく臭くない!」
午前中に、校舎で実習をしていた生徒は、本校の鶏舎と違ってアンモニア臭がしないことに気が付きました。
自家製飼料を食べたニワトリの糞尿は、きつい臭いもなく、除糞をしなくても自然分解され鶏舎全体のにおいがないそうです。飼料によって、ここまで環境も変わるのだと学びました。
〇動物の命と向き合いながら行う養鶏
有子さんとクリスさんは動物好きで、養鶏を始めた頃は廃鶏を行うことも、ひよこが死んでしまうことも受け入れることが難しかったそうです。しかし、その中でニワトリが住みやすい環境やニワトリの健康に気遣った飼料をつくり、卵という命を与えてくれるニワトリと向き合いながら養鶏をおこなっていこうと考えたそうです。
このお話を聞き、生徒たちも命と向き合うことの重みを学びました。
〇商品開発に向けてのアドバイス
商品開発のことをお話しすると、クリスさんはイギリス出身ということで、卵とハチミツを使ったイギリスのお菓子を提案いただきました。
ライスプディング、ヨークシャプディング、ハニーバタープディング・・・
「プディング」といっても様々なレシピがあり、これからの商品開発の参考にしていきたいと思います。
最後に、自分たちで生産したハチミツをプレゼントしました。
自家製の飼料づくりだけでなく、地域とのかかわり方や動物の命について考えた養鶏場の視察となりました。これからの古米飼料の研究と商品開発の参考にしていきます。