【安達東校舎】不耕起栽培に挑戦!持続可能な農業生産を目指して
安達東校舎2年次生は、地域における課題の解決に向けた研究に各グループに分かれて取り組んでいます。今回は、農業班の課題研究を紹介します。
〇 地域の農業について考える農業班
農業班では、二本松市役所岩代支所の集落支援員の方々がまとめた地域や農業の現状から「耕作放棄地」の課題解決に向けて活動をしています。
農業班の生徒の多くが兼業農家や専業農家で、家族から聞いたことや見たことから、農業は栽培管理をするために身体に負荷がかかる重労働です。機械化やAI化には高額な資金が必要で、一般の農家さんには難しいことや、二本松地域の農地は斜面にあることが多く、作業がしづらいことなど「耕作放棄地」が増加する要因なのではないかと考えました。
そして、「耕作放棄地」の対策としてある方法に行き着きました。
〇耕さない『不耕起栽培』
通常の野菜栽培の場合、播種や苗の植えつけ前にたい肥や肥料を入れ、土を耕し、土壌の準備を行います。また、栽培期間中にも除草や作物の生育に応じて土壌を耕さなくてはいけません。二本松地域のような中山間地域にある小さな農地や斜面にある農地では、管理が難しい問題点があります。
一方、『不耕起栽培』は、文字の通り耕さずに栽培管理を行う方法です。
通常の栽培とは違い農地を耕さないため、農作業の省略化や燃料削減、生物多様性の保全に効果があり、持続可能な農業を行っていく観点から注目されている農法の1つです。
今回の課題研究では、不耕起栽培について研究されている福島大学食農学類教授 金子信博先生に助言をいただき、不耕起栽培に挑戦することにしました。
〇『不耕起栽培』に挑戦!
金子先生に教えていただいたことから、安達東校舎の農地を活用して10月下旬より『不耕起栽培』に挑戦をはじめました。
不耕起栽培を行うためには、カバークロップの1つであるライ麦を播種します。ライ麦は、土壌中に深く根を張ります。ライ麦の根のおかげで、土壌中の保水性や排水性が改良され、さらには光合成で生成された栄養が土壌に供給され、化学肥料を施さなくても農作物の栽培ができるそうです。
また、地表面にあるライ麦は、実が熟す前の乳熟期に倒すことで、地表を多い雑草の抑制につながります。さらに、倒したライ麦には害虫を捕食する天敵も増え、農作物を栽培する際の害虫防除につながり農薬の削減にもつながるそうです。
『不耕起栽培』は、農作業の省略化、化学肥料・農薬の削減、農業機械を動かす燃料の削減、生物の保全など、持続可能な農業につなげる技術です。
この農法を実践することで、冒頭にも説明した「耕作放棄地」の問題解決、さらには農業全体の問題解決に向けた取り組みに繋げていきたいと思います。
これからもライ麦の生育状況や2年生農業班の取り組みを更新していきますので、お楽しみに!